2019年03月28日

二十五日目 国分から一宮へ

7時前に宿を出る。
お風呂が広くてよかった。
これで素泊まり4000円は安いわ。


昨日の鴨川駅からテクテク歩いて、国分まで戻る。
讃岐国分寺さんが今日の打ち始め。
なんとなく、土佐国分寺さんに似たところを感じる。
やっぱり、国分寺であれば、寺の作りは同じようになるよね。

二十八日なので、「今日はお不動さんの御縁日です」との張り紙がある。
こういうのは良いな。
お賽銭あげていこうかな、となるし。
十円玉への両替機があったのも良かった。

国分寺さんをあとにして、さ、今日も山だ、山。

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これか‥‥

五色台というらしい。
これから行く白峯さんの他に、黒峯、紅峯、黄峯、青峯があるという。
由来は陰陽五行から来ているらしいが、
うちらからしたら白赤黄青黒でもあるよね。
どっちがどう、というか、
影響しあった面も多分にあるでしょ。

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斜面の地肌が見えているところはこんな場所も。

白いぜ。
ここから名前ついたのかな。
詳しい人に任せる。



‥‥‥。

坂道きっつ。

ええー。

いかん、ナメてたわ、ここ。
なんかこの登りの時は変に蒸し暑くて、
額に巻いていた手ぬぐいが、早くももう2枚ビシャビシャに。
まずいな、手持ちの手ぬぐいはあと一枚だぞ。

一時間くらい登り続けて、やっとこ車道に出る。

地元の地図があったので見てみると
通ってきた道は『遍路ころがし』の表記。

やっぱそうだよな。
そう言われるくらいのキツさはあったよな。


そこからさらに一時間は歩いて、81番白峯寺さん到着。
「イノシシ出没  注意」の張り紙があちこちにある。
怖いので、白峯さんところの御守りの鈴を購入。
守ってくれよ。


道々に、色々と考えてみた。

宿に泊まるのが主体の歩き遍路の人は、竹林寺は来にくいだろうな、ということ。
My遊バスに、「お遍路さん  歩き直しチケット」とか作れないだろうか。
夕方〜翌朝に使える、竹林寺⇄高知中心部だけの往復チケット。
これがあれば、夜の高知の繁華街を楽しみつつ、ホテルの選択肢も広がるし、
翌朝は竹林寺の前からまたスタートできる、という
システム。

帰ったら企画してみようかな。


白峯さんから根香寺さんへの道すがら、
とてもよくウグイスが鳴いてるのを聞く。
山鳥がたくさんいるらしい。

ウグイスも
知らずや  唱うる
法華経の
惜しや  足しては
南無と一声
            健真

うーん。
まだ推敲の余地はあるよねー。


根香寺さんの直前に、すごい遍路小屋を発見。
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ここまで至れりつくせりなのは初めてだ。
有難いことである。


根香寺さんを打ち、一宮寺さんまでは、
5時に間に合うかどうかの瀬戸際だったが、

やめた。
急がない。
急げば間に合ったかもしれないが、
今は急いではいけない。
明日なんとかなれば良い。
一宮の駅までゆっくり、今日は歩くことにする。


鬼無(きなし)という町を通り過ぎる。
どうやらここは、盆栽の町のようだ。
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埼玉の川口に行ったことがあるが、
あそこも盆栽をよくしていたな。
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これは凄かった。
名付けて「横綱土俵入り」だそうだ。
分かるだろうか。
この、幹がぐるりと横に伸び、まるで土俵のごとくに平たく枝を伸ばしている。

写真ではなかなか凄さが伝わらない。
是非実物を見ていただきたい。


一宮までの道のりでは、川底も歩いた。
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これ。
橋ではない。
大雨か何かの時は、完全に水没する道である。
普通に生活道路として、けっこう車が行き交っている。


一宮の駅着が5:30。
まあこんなもんか。
今日は、予想していたより山道が長かったせいだろう、思っていたより距離をとれなかった。

お町に出れば、なんとか一安心だな。



また明日。
posted by 健真 at 23:38| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月27日

二十四日目 善通寺から国分へ

5:00起床。6時から朝勤。
善通寺の方々は僧衣であるが、俺はどうということもないので普段着で参加。

正座がきつい。
足首がめちゃくちゃ硬くなっている。
これ竹林寺に帰って使い物になるのだろうか。

声明や鉢は高野流でやるんだな。
細かいところは違うのかもしれないけど。。。
終わって戒壇めぐり。
これ3回目だよ俺。
だいたい知ってるよ、もう。

同宿にオランダから来たというカップルと、
上海から来たという女性が居たが、特に話が盛り上がるということもなく。
黒ひげが怖いように見えただろうか。

俺を知っている人は分かると思うが、
俺はヒゲが濃い。

そして、高知を出てからこっち、
一度もヒゲを剃っていない。
その方が修行してます感が出るかなと思っていたが
これはいよいよもって山男だ。
このまま中東に派遣されても問題なく過ごせるレベル。

まあ、親からもらった体であるし、ヒゲが濃いのも俺のアイデンティティかなと思ってはいるのだが
どうなんだろうか。
伸ばすのも悪くない気がするのだ。
お髭をたくわえているのも、
いずれ貫禄になるだろうし、、、



朝食を頂いて、納経も済ませて、7:30に出発。
残念ながら、川辺さんはお休みであった。
うーん、仕方ない。

1つ前の甲山寺さんを打ち、善通寺の次の金倉寺さんも打つ。

しかし、金倉寺さんを打ったあと。



あー。

ダメだこりゃ。

痛みが。


関節や筋肉の痛みではない。
足の指の皮膚がここ数日、へんに具合が悪かったので、絆創膏などで対処をしてはいたのだが、
一向に改善する気配がない。
むしろ痛む箇所が広がってきている。

今痛む部分は小指の爪の大きさくらいだが、
このあともっと広がっていったら、どうなってしまうだろうか。
歩けなくなるくらいに悪化したらどうしよう。

決断は早いほうがいい。



はい。
皮膚科に行くことにします。(わりと即決)

近くの皮膚科の医院に行き、受付を済ませる。
いやぁ。
善通寺が都会でよかった。

待ち時間が1時間だというので、
その間にひとつ行ける、と思って77番道隆寺へ、
足を引きずりながら歩く。

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あっ、サンエイさんってここにあるのね。


道隆寺さんを打ってから、再度病院に行くまではちょこっとだけタクシー。
ズルはしてないから、これはよし。
歩いたところを戻るだけだもの。
医者に行くためなんだもの。


はー、よかった。
診察の結果、大したことはなかった。
治療法を教わり、薬を処方してもらう。
案の定、いままでの絆創膏療法は逆効果だったんだな。

歩行スピードが遅くなったが、これはもうしょうがない。

昨日、おとといと、ちょっと歩く速度がオーバーペース気味だったから、
その皺寄せが来たのかもしれない。

今日と明日、明後日の予定をすこし変えた。

なぁに、36km × 2日 だったのを、
24km×3日にしたと思えばよいのだ。
日程的にはまだ余裕がある。
歩けないわけじゃない。
ちょっとペース落とせよ、と。
ゆっくり歩けば問題はないし、すぐ万全の状態に戻るだろうから、
今はペースを落とす時なだけだ。
今は辛抱である。



途中、丸亀城の横を通り過ぎる。
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表はこんなふうだが、、、
裏手は
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あーあーあー。
ひどいねこりゃまた。

ここも大雨のためか。
石垣の崩れっていうか、
地滑りも起こってるのか。。。

直るのかい、これ、、、



そこからえっちらおっちら歩いて、5時までには、79番天皇寺さんまで打ちおわる。
そこから一駅だけ歩いて、今日は終了。
明日の朝は鴨川の駅からスタートする。


ところで、今日のお宿なんだが、、、
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んん???
これは。。。

防音が完璧で、
風呂が広くて、
部屋にはダブルベッド。
フロント、というか受付が見えにくいところにある
などなど。


これあれじゃね。
ラブな感じのホテルなんじゃないの。
ていうか、元そういうホテルだったんじゃないの。

ま、いっか。
お遍路の姿で入るのはこっ恥ずかしいが、
堂々としていれば問題はないな。
死ぬわけじゃあるまい。


また明日。
posted by 健真 at 23:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月26日

二十三日目 雲辺寺から善通寺へ

タイトルは雲辺寺だけど、正確には雲辺寺さんから4.5キロほど降った民宿からのスタート。

青空屋さんというお宿だ。
これまで泊まった民宿の中で一番良い民宿だった。
評価が高いのも頷ける。
お宿の人も良くしてくれた。
ごはんも美味しくて多かった。


5:00起床、5:40出発。
今日はとにかく歩かなくてはならない。
青空屋さんから次の67番大興寺さんまでは約5キロ。
7時チンの納経を目指して、まだほの暗い道を行く。
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朝焼けが綺麗であった。

大興寺さんのお参りで若干ゴタついたり、トイレに行ったりしたものの、7:30にはお寺を出る。

「当山は善根宿銭形とは関係ありません」
そう‥‥(無関心)
何かあったのね。


二時間ほどかけて次のお寺に向かう。

道中、頭のジュークボックスがランダムで、なぜか小田和正を流し始める。

‥‥‥。
いかん、力が入らん。
というか、一人歩きのお遍路で、小田和正やオフコースの曲がかかると、
人恋しくなってきてたまらん。
家の中とか車の中とかで、しっとり聴くもんだな、これは。


神恵院と観音寺さんに到着。

神恵院さんは何がどうしてこうなったのだろうか。
きっと深い理由があるのだろう。
でも、今日は深く知ることはパス。
余裕があまりない。

観音寺さん出発が10時頃。
そこから約一時間で70番本山寺さんへ。

五重塔があると、やっぱり遠くからでも目立つもんだなぁ。
境内配置も、往時の姿を偲ばせるものがある。
いいお寺だと思った。

柔軟性をもって現代に対応する部分と、
昔の文化や風俗を残していく部分と、
お寺においてそのバランス感というものは、非常に微妙でかつ難しいと思うのだが、
しかしとても重要なことなのだ。



そういえば、昨日の雲辺寺さんを後にしてからは、
香川県に入ったのだった。

ハローうどん県。
俺の爺さんの故郷。

そういえば一昨日の、
千葉出身で、いま川之江に住んでいる友人から聞いたのだが、
彼が会社の先輩(香川出身)に
「美味いうどん屋知ってるから行こう」と誘われ、
休日に香川を回ったときのこと。

どんなもんかと思っていたら、
「うどん屋はハシゴっしょ」
「小玉で頼んで、たくさんの店に行く」
と教えられてビビったと言っていた。

うどん屋ってハシゴするものなのか‥‥?
彼は4軒目の肉うどんでギブアップしたらしい。


あ、今日のお昼は当然うどんにしました。



次の71番弥谷寺さんまでをひたすらに歩く。

暑くなってくる。
今日の宿は、75番善通寺の宿坊に取ってしまった。
弥谷寺さんまではまだまだある。


この1時2時あたりから若干焦りだす。


もしかして、弥谷寺さん終わりで宿にした方がよかったのでないか?
弥谷寺さんは大丈夫だとしても、その後の72番と73番は行けるのか?
73番出釈迦寺さんまで打てない場合、明日の予定が大幅に狂うが大丈夫か?
74番甲山寺さんは、明日に回しても何ら問題はないのだが‥‥


弥谷寺さんのふもとに着いたのが2:45頃。
そこで見えたのは上へと続く坂と階段。
本堂までの階段は約600段あるという。。。


おおおおおー!
やるんだ俺はー!

馬力を入れる。

階段なんか一段飛ばしだ。
   (実際、一段一段はそんなに高くない)
600段がなんぼのもんじゃい。
やってやらぁ。

汗が噴き出す。
息切れが激しい。
周りがこっちを見ている。
すいませんね、ちょっと通してください。

ハァハァ‥‥

お経は超スピードで唱えた。


71番弥谷寺さんの納経を済ませたのが3:15。
そこから72番曼荼羅寺までが約一時間。

行ける。
73番出釈迦寺さんまでなら5時に間に合う。


オラオラオラー!
っと歩ききり、出釈迦寺さんを打ち終わったのが4:45。


やりきったぜ‥‥‥
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夕日に照らされた捨身ヶ嶽が綺麗であった。


出釈迦寺さんから善通寺さんまでも勿論歩きである。45分くらいかかった。


宿坊に入ったのが5:40。
あ、朝の出発時間と同じやん。
ということは俺は12時間弱は歩いていたのか。。。
昼と休憩を入れても1時間は使っていないはずだし。


総歩行距離は39キロ+階段600段。
やりきった。
いつのまにかこれくらいは大丈夫になったんだな。

次は国分寺さんまで行ければなぁ。


また明日。
posted by 健真 at 21:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする