2019年04月02日

三十日目 左右内から一宮へ

6:45出発。
今日は5ケ寺を打つ。
午前中には大日寺さんまで着けるはずだ。

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昨日と違って、全く雲のない、
とても良い天気であった。


山間部から徐々に降りていく。
ゆるやかな降りなので、足へのダメージも少なめである。
これが四日目五日目なら、しんどいことだろう。
実際、歩きにくそうにしている人を何人か見かけた。

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午前10時頃。
鮎喰川の潜水橋というところである。
高知でいう沈下橋なのかな。
水嵩が上がれば通れなくなるところで、
よくお遍路関係の写真にも出ているところだそうだ。


この日は、よく一緒に歩いたおじいさんが居た。
東京から来たという太田さん。御年73歳。
歩き遍路も6回目だそうだ。
うちの寺のこともよくご存知でいらっしゃった。

やはり慣れている人と歩くのは、
色々教えてもらえてありがたい。

こっちの道は遠回りだけど舗装が良くて歩きやすいよ、とか
こっちの道は距離が短くて景色も綺麗だけど
道がデコボコで歩きにくいよ、とか

太田さんは先年に大病して、
歩きで回るのはこれが最後にするそうだ。
でも、俺と同じペースで歩いていけるくらいにはお元気だ。

「香川で打ち終わる頃にはなぁ、
   ああ疲れた、やっと周り終えた、解放だ、
   と毎回来るたび思うんだけど、
   ちょっと経つと、また来たくなるんだよなぁ」

わかる気がする。



17番井戸寺さんを打ち終わり、13番大日寺さん前のお宿まで戻る。(迎えあり)

明日はここから、徳島市街を経由せず、
近道を通って18番恩山寺さんへ行き、
19番立江寺さんを打って、20番鶴林寺さん手前まで進む。
宿はそこに迎えありの、少し離れたお宿を取った。



明日以降の予定を書いてみようと思う。
3日:鶴林寺手前まで
4日:鶴林寺〜太龍寺〜平等寺打ち終わりまで
5日:〜薬王寺打ち終わりまで
6日:〜宍喰泊
7日:〜室戸泊
8日:東寺〜津寺〜西寺〜奈半利泊
9日:奈半利〜神峯寺〜安芸泊
10日:安芸〜大日寺〜土佐山田泊
11日:土佐山田〜国分寺〜善楽寺〜   竹林寺   着

以上!

あと九日しかないんだなぁ。
名残惜しい。



また明日。
posted by 健真 at 19:42| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月01日

二十九日目 鴨島から左右内へ

朝は6:45に宿を出発。
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焼山寺方面を見る。
この山をいくつか越えていかねばならない。

11番の藤井寺さんを打ち、山道に入ったのが7:30頃。
山に入って、早速に良い枝が手に入ったので、杖二本体制が即完成。
これでよい。
杖二本は疲労度がかなり軽減されるし、
降りの時の安心感も違うのだ。
短所は取り回しがし辛いくらいのもの。
皆に伝えたい。


遍路ころがし1/6の表記がある。
つまり、六ヶ所はしんどい・危ない場所があるということだ。

テクテク、サクサク、登り登り。

長い階段が続く。




‥‥‥‥。

んー。

しかしなぁ。

それほどでもないかなぁ。



決して強がりを言っている訳ではなく、
「雲辺寺佐野道や女体山岩場を10か9だとしたら、
   こっちは8か7」
という感じがするのだ。

しんどくないわけではない。
疲れるし、距離もながい。
体力的にもつらい。
ただ、無理かもしれん、死ぬかもしれんというレベルではない。

そういえば、久万高原の宿で出会った、徳島のオッチャンは、
「焼山寺の道?   あれは疲れるだけで角度は楽よ」
と言っていたっけな。


道がきれいなのだ。
全く迷う心配がない。
動物の気配もあまりしない。
(イノシシが荒らした形跡が少ない)
休憩ポイントは1時間に1箇所のペースで出現する。

山道を歩いていて、これほど安心して歩いたことは稀かもしれない。


10時頃、雨がパラつき始める。

10:30、すこし雨の量が多くなる。

仕方ない。ポンチョ出すか。


雨の音が、少し変わる。
ポツポツ。
だったものが、
コツコツ。カリカリ
のような音になってきた。

変だな。
やけに白‥く‥‥

んんん?
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雪降ってるじゃない!
寒いと思ったわぁ〜


ええ〜〜。

まじかよぉ。

今日はもう4月のはずだよ。
なんで雪よ。
いくら山だって言っても、ここ標高はたかが数百メートルのはずで。

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11時。
左右内の一本杉に到着。
写真で分かるだろうか。左のほうに小さく白く写っているのが人間である。
かなりの巨木であった。

ここで一休みしている人が多数いる。
歩き遍路で何回も来たというお爺さんがいたが、
ここでこれほど雪に降られたことはないと驚いていた。



みなさん。
新元号が発表されてましたね。
その時はどうしてましたか。
テレビ見てましたか?
ラジオ聞いていましたか?

僕は、
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遍路ころがしの坂道と格闘しつつ、
雪の中を歩いていました。


焼山寺さんに着き、お勤めを始める。
1時ちょうどくらい。
この時はまだ雪がジャンジャン降っていた。

理趣経一巻をたっぷりと読誦し終え、
大師堂のお勤めが終わったのが1:30。
その時、天気は
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スカッと晴れ!
なんだったん!さっきまでの雪は!


今日は焼山寺さんから1時間ほど降ったところにある宿にイン。
15時だったし、まだ歩けたがしょうがない。
他に宿ないんだもの。


また明日。


追伸1:体重が、歩き始めの時より10キロ落ちました。
追伸2:計算してみたところ、竹林寺着は11日になりそうです。

posted by 健真 at 20:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月31日

二十八日目 土成から鴨島へ

5:00起床。
今日はなかなかに変則的な行程になる。

まず昨日歩いていた、阿波市役所までなんとかして行く。
6:30にそこに着こうとしたら、タクシーだ。
タクシーも、千円ちょっとで行けるなら惜しくはない。
一筆書きのように途切れず歩きたいのは山々なのだが、
無駄な歩きもまた、したくないのだ。
こればっかりは歩いている人間でないと分からないかもしれない。。。

そして7:00ちょうどに10番切幡寺さんの納経を済ませ、
一気に1番札所の霊山寺まで行く。

その後は電車に乗り、鴨島まで行ったあと、
途切れている部分を1時間ほど歩き、
今日の宿へ、という寸法だ。
これならズルにはならない。
歩くところの先後を入れ換えただけだから。




予定通りに、7時チンで切幡寺さんを打つ。

うーむ。。。
お寺それぞれだとは思うのだが。。。
なんとも申し上げにくい。
階段の落ち葉は滑ります。
事故が起こらないことを祈るばかりです。


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10番切幡寺さんから9番法輪寺さんへの道すがら撮ったもの。
じつに清々しい。

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8番熊谷寺さんへの道にて。
枝垂れ桜も満開である。

香川では、満開まではあと一歩という感じであった。
やはり山をいくつか越えて、南に来ると違うものなんだなぁ。



熊谷寺さんに着く頃に、順打ちの歩き遍路さんが固まっているところとすれ違う。
きっと、6番の安楽寺さんの宿坊に泊まっていた方々であろう。

初日:1番札所〜6番札所(16km)
二日目:6番札所〜10番札所〜鴨島周辺(20km)

このルートが一番ポピュラーなのだ、1番札所から始めるのであれば。
なにせ、三日目には焼山寺アタックが控えているので、二日目までは慣らし運転になるのである。

どんなに急いだって、焼山寺への道の前では一泊するしかない。
初日から36キロ歩ける人なら別だが。




ふと、昨日までと、今日の雰囲気とが、全然違うことに気づく。

ああ、昨日まで、ほぼ一緒に歩いてきた人らは、
もう居ないのだな。

そんな気持ちになっていた。



歩き遍路は、一人歩きが鉄則だ。
人には自分のペースというものがあるから。

たまに同道して、話しながら歩くことがあっても、
じきに
「じゃ。先、行きますんで」
「どうぞどうぞ。私はゆっくり行きます」と、
それぞれのペースを守りつつ歩いていく。
だから、四六時中一緒に居て、すごく仲がよくなる人ができる、ということは、実はあまりない。

しかし、寺に着けばだいたいの確率で会うし、
宿を取れば一緒の場合だってある。

一日に歩ける距離もまちまちだから、
先に行っていると思っていた人が翌日後ろから追いついてきたり、
そうかと思えばとんでもない方向から歩いてきたり、
観光していたのか迷っているのか分からないところに遭遇したり、
人っ子ひとり居ないような山の中でバッタリ会う、
なんてこともザラにあったことだ。

名前は知らなくても、
「あ、また会いましたね」
「よく会いますねぇ」
などという会話は日常茶飯事であった。

いわば、戦友というか、
同じ苦しみを味わった仲間、みたいな感覚があった。

めっちゃよく喋る新潟から来た佐々木のおじさん。
田植えを初めて見たと話していたオランダの青年。
どう見ても日本人だが生粋のアメリカ人だったfromカリフォルニアの彼。
全く話さなかったが、須崎からこっち本当によく会った、同い年くらいの人。



それらが、ゴッソリ抜けてしまっている。
なぜなら、皆さんは88番大窪寺で終わるから。



今日、周りに居る歩き遍路さんは、
だいたいが昨日か今日始めた、初歩きの方ばかりだ。

見れば一発で分かる。
真新しい白衣。
着け慣れていない笠。
全く磨り減っていない杖。
筋肉痛が襲ってきている歩き方。


なんだか、高知から始めた俺は、
二学期から転校してきた転校生で、
クラスメイトは先に三月に卒業してしまって、
新期生が入ってきたのをひとり見つめている、
まだあと一学期分は出席しなくてはならない、
微妙な立ち位置の先輩。

そんな感覚になっていた。




お昼もセルフのうどん屋さんでサッと食べ終え、
ひたすら歩く。

お遍路始めたての人は二日かけて進むところを、
俺は一日で歩かなければならない。

まあ、35キロくらいなら、もう平気になってきたし。
足が棒になるような感じもしなくなった。




4時頃、1番札所の霊山寺を打つ。
順調に予定を消化した。




しかし、霊山寺さんの雰囲気作りは流石である。
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これからどんな旅が始まるのか、
お遍路で初めて来た人はワクワクするだろう。


色々なお堂があって、本堂に入ると、薄暗い中にロウソクの火が揺らめいている。

神秘性と、怪しさと、荘厳味と、商売の匂いと。
歩き遍路さんへのお接待の気持ち。
新入りに色々教えたくなる気持ち。
そんな多種多様なものが混ざり合った、
じつに味わいのある境内だ。

これはこれで、ひとつの調和であろう。


なんだか嬉しくなってくる。

たどたどしいお経、
期待と不安でいっぱいの顔、
背負い慣れないリュック、
次にどこへ行けばいいのか分からないで迷う様子。

ははは。
本当に新入生だ。

ようこそ。
歓迎しますよ。

とりあえず、その大きな荷物は半分にしようか。
しんどくなるぜ。



また明日。
posted by 健真 at 21:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする