2019年04月03日

三十一日目 一宮から勝浦へ

朝6:45出発。
同宿に四人組のお婆さんお遍路さんの一団がいらっしゃったが、
夕飯は部屋食だったし、
朝食は別時間だったしでほとんど顔を合わせず。

正直ほっとした。
なんだかモメてたみたいだったし。
廊下まで聞こえるのはねー。
なんだかねー。


さ。
気を取り直して、今日も歩くぞ。


正規のルートでないため、矢印シールは無い。
バイパスをテクテク歩いていく。
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またもや出てきた潜水橋の上から。

鴨がスイスイ泳いでいる。
日差しが降り注ぎ、桜が咲き、風は涼しい。
うーむ。中春の令日にして気淑く風和ぐ。

平和だなぁ。


恩山寺まであと6キロほどになった頃、
焼山寺への道で知り合った、ロンドンから来たという青年に出会う。
名前はマイクというらしい。
恩山寺までの約一時間半を同道する。

英語と日本語が入り乱れての会話だが、
結構よく話した。
歳は聞いていないが、大学生くらいだろうか。
日本は初めてだそうだ。
スマホ内の辞書片手に、日本語を覚える音声ソフトを聴きつつ、日本語を覚えながら歩いている。

感心感心。
外国人お遍路さんの中には、その日本語力でどうやってここまで来たってくらい言葉がわからん人も少なくないからなぁ。
プチ日本語レッスンを引き受けた。

語尾に「ネ」を付けるのが好きだという。

あっちネ。
疲れるネ。
ありがとございますネ。

なんだか可愛らしい。

「ダイジョウブ」
「シカタナイ」
「トイレカシテクダサイ」
などを教えていく。

恩山寺に着いて後は、俺のお勤めが長くかかるので先に行ってもらった。

彼とは立江寺の門前でもすれ違う。
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頑張って歩いてほしい。


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そもそもがそんなに距離を歩かない日であったので、
のんびり歩きの一日であった。

やはり徳島だと、歩き遍路さんも多いな。
区切り打ちで途中退出する人も割といる。
室戸に行く前がその分かれ目だろうと思う。
薬王寺さん過ぎたら減るだろう。



宿は廃校になった小学校を改造した、宿泊所。
結構評判が良いので、利用する人も多い。

人多すぎて今夜は一部屋に二人である。

東京からいらっしゃったという男性の方。
歩き遍路は去年の春に続いて2回目だそう。
親父と同い年だな‥‥‥。
去年の、例の専修学院出てすぐ歩き遍路をしていた若い尼さんに会ったことがあるそうな。

世間は狭いのう。



また明日。
posted by 健真 at 20:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月02日

三十日目 左右内から一宮へ

6:45出発。
今日は5ケ寺を打つ。
午前中には大日寺さんまで着けるはずだ。

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昨日と違って、全く雲のない、
とても良い天気であった。


山間部から徐々に降りていく。
ゆるやかな降りなので、足へのダメージも少なめである。
これが四日目五日目なら、しんどいことだろう。
実際、歩きにくそうにしている人を何人か見かけた。

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午前10時頃。
鮎喰川の潜水橋というところである。
高知でいう沈下橋なのかな。
水嵩が上がれば通れなくなるところで、
よくお遍路関係の写真にも出ているところだそうだ。


この日は、よく一緒に歩いたおじいさんが居た。
東京から来たという太田さん。御年73歳。
歩き遍路も6回目だそうだ。
うちの寺のこともよくご存知でいらっしゃった。

やはり慣れている人と歩くのは、
色々教えてもらえてありがたい。

こっちの道は遠回りだけど舗装が良くて歩きやすいよ、とか
こっちの道は距離が短くて景色も綺麗だけど
道がデコボコで歩きにくいよ、とか

太田さんは先年に大病して、
歩きで回るのはこれが最後にするそうだ。
でも、俺と同じペースで歩いていけるくらいにはお元気だ。

「香川で打ち終わる頃にはなぁ、
   ああ疲れた、やっと周り終えた、解放だ、
   と毎回来るたび思うんだけど、
   ちょっと経つと、また来たくなるんだよなぁ」

わかる気がする。



17番井戸寺さんを打ち終わり、13番大日寺さん前のお宿まで戻る。(迎えあり)

明日はここから、徳島市街を経由せず、
近道を通って18番恩山寺さんへ行き、
19番立江寺さんを打って、20番鶴林寺さん手前まで進む。
宿はそこに迎えありの、少し離れたお宿を取った。



明日以降の予定を書いてみようと思う。
3日:鶴林寺手前まで
4日:鶴林寺〜太龍寺〜平等寺打ち終わりまで
5日:〜薬王寺打ち終わりまで
6日:〜宍喰泊
7日:〜室戸泊
8日:東寺〜津寺〜西寺〜奈半利泊
9日:奈半利〜神峯寺〜安芸泊
10日:安芸〜大日寺〜土佐山田泊
11日:土佐山田〜国分寺〜善楽寺〜   竹林寺   着

以上!

あと九日しかないんだなぁ。
名残惜しい。



また明日。
posted by 健真 at 19:42| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月01日

二十九日目 鴨島から左右内へ

朝は6:45に宿を出発。
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焼山寺方面を見る。
この山をいくつか越えていかねばならない。

11番の藤井寺さんを打ち、山道に入ったのが7:30頃。
山に入って、早速に良い枝が手に入ったので、杖二本体制が即完成。
これでよい。
杖二本は疲労度がかなり軽減されるし、
降りの時の安心感も違うのだ。
短所は取り回しがし辛いくらいのもの。
皆に伝えたい。


遍路ころがし1/6の表記がある。
つまり、六ヶ所はしんどい・危ない場所があるということだ。

テクテク、サクサク、登り登り。

長い階段が続く。




‥‥‥‥。

んー。

しかしなぁ。

それほどでもないかなぁ。



決して強がりを言っている訳ではなく、
「雲辺寺佐野道や女体山岩場を10か9だとしたら、
   こっちは8か7」
という感じがするのだ。

しんどくないわけではない。
疲れるし、距離もながい。
体力的にもつらい。
ただ、無理かもしれん、死ぬかもしれんというレベルではない。

そういえば、久万高原の宿で出会った、徳島のオッチャンは、
「焼山寺の道?   あれは疲れるだけで角度は楽よ」
と言っていたっけな。


道がきれいなのだ。
全く迷う心配がない。
動物の気配もあまりしない。
(イノシシが荒らした形跡が少ない)
休憩ポイントは1時間に1箇所のペースで出現する。

山道を歩いていて、これほど安心して歩いたことは稀かもしれない。


10時頃、雨がパラつき始める。

10:30、すこし雨の量が多くなる。

仕方ない。ポンチョ出すか。


雨の音が、少し変わる。
ポツポツ。
だったものが、
コツコツ。カリカリ
のような音になってきた。

変だな。
やけに白‥く‥‥

んんん?
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雪降ってるじゃない!
寒いと思ったわぁ〜


ええ〜〜。

まじかよぉ。

今日はもう4月のはずだよ。
なんで雪よ。
いくら山だって言っても、ここ標高はたかが数百メートルのはずで。

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11時。
左右内の一本杉に到着。
写真で分かるだろうか。左のほうに小さく白く写っているのが人間である。
かなりの巨木であった。

ここで一休みしている人が多数いる。
歩き遍路で何回も来たというお爺さんがいたが、
ここでこれほど雪に降られたことはないと驚いていた。



みなさん。
新元号が発表されてましたね。
その時はどうしてましたか。
テレビ見てましたか?
ラジオ聞いていましたか?

僕は、
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遍路ころがしの坂道と格闘しつつ、
雪の中を歩いていました。


焼山寺さんに着き、お勤めを始める。
1時ちょうどくらい。
この時はまだ雪がジャンジャン降っていた。

理趣経一巻をたっぷりと読誦し終え、
大師堂のお勤めが終わったのが1:30。
その時、天気は
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スカッと晴れ!
なんだったん!さっきまでの雪は!


今日は焼山寺さんから1時間ほど降ったところにある宿にイン。
15時だったし、まだ歩けたがしょうがない。
他に宿ないんだもの。


また明日。


追伸1:体重が、歩き始めの時より10キロ落ちました。
追伸2:計算してみたところ、竹林寺着は11日になりそうです。

posted by 健真 at 20:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする